2009年7月2日木曜日

できると思うからできる

こんにちは

交渉の上手い人と下手な人、どこが違うかよく観察してみました。

交渉に失敗する人は、ほぼ間違いなく最初から「できない」「無理」という意識で交渉に臨んでいる。
できない、無理を前提にしているので、交渉にも手ぶらで向かうんです。
で、相手に対して「ね、やっぱりダメでしょ、無理ですよねー、それは私も同意見なんですよ」という気持ちが見え見えなんです。
「お願いですからダメって言ってくださいよ、私も立場上一応お願いしてみるんですが、あなたがダメと言ってくだされば、私の上司や仲間も納得してくれますから、ぜひお墨付きをお願いしますよ」という意識。
これじゃあ、失敗するに決まってます。

交渉に成功する人は、間違いなく最初から「できるはずだ」という意識があります。
できることを前提にしているので、相手を納得させるための材料をちゃんと用意していく。
是が非でも、うんと言わせようとする。
交渉にも迫力が出ます。
人間というのは、相手の喜ぶことをしよう、という気持ちが基本にあるものです。
交渉相手だって、できれば喜ばせてあげたいんです。
でも、相手だって自分の上司、組織が後ろに控えています。
うんと言うからには、それなりの材料を持ってきてくれなくちゃ困るわけ。
そういう欲望があるところに、適切な判断材料を持ってきてくれれば、スポッとはまります。
これなら、成功するに決まってます。

何の本で読んだか忘れちゃいましたが、第2次世界大戦中の原爆開発の話です。
原爆は、アメリカでもソ連でもドイツでも日本でも開発研究をしていました。
日本での研究は、理研仁科博士が中心になって行っていたのは有名な話。
でもアメリカが最初に開発に成功した。
そのとき、日本の研究は未だ基礎的なレベルに留まっていたんです。

なぜアメリカは原爆開発に成功できたのか。
アメリカにとって原爆開発のトップシークレットは「原爆は実現できる」だったんだそうです。
この「秘密」がライバル国に伝わらないように、厳重に管理したんだそう。
原爆研究は優秀な研究者を家族と共にロスアラモスに幽閉して行われましたが、それは単に科学的、技術的情報が漏れないようにするだけではなく、「原爆は実現できる」ということを秘密にするためだったのです。
そして、アメリカの研究者には「原爆は実現可能」と言い続けた。
それがアメリカの勝因だったんです。

人間、できると思うと熱が入ります。
できないと思えば、どうしても一生懸命になれない。
そこがもっとも基本的で重要な分水嶺なんですよ。
できると思うから実現できるんです!

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