2009年7月6日月曜日

毎日米一粒

こんにちは

資格マニアのぼくは、年がら年中何かしら勉強しています。
何でそんなに勉強するかというと、常に自分を知的にアクティブにしておきたいから。
仕事上のことを勉強するのは当然ですが、それだけじゃ自分が狭くなりそう。
もっと自分を押し広げておきたい。
その手段として資格試験の勉強をしているのです。

資格試験はゴールがはっきりしているので、目標を定めやすい。
何をどれだけいつまでに勉強すればいいか分かりやすいので、モチベーションも維持しやすい。
とても便利。

先日、岩手から妻のいとこが我が家に遊びに来ました。
高校を卒業して地元のごみ焼却施設の運転員として採用されました。
給料はあまり高くはないようですが、新日鐵系の安定した職場。
今年で就職して丸3年。
よく上司に叱られるそうですが、めげずにがんばっています。
千葉で研修があり、そのついでに我が家に泊まっていったのです。

彼は施設の運転員なので、そのための技術系の資格が必要。
資格を取るために勉強を始めたそうです。
「中学高校のときより今の方が勉強している」なーんて言っていました。
偉い、偉い。

彼が岩手に帰った日、彼から御礼のメールが届きました。
礼儀正しいのも、社会で上手に生きていくために必要ですね。
ぼくはこんな返事を送りました。

> 君はいい性格をしているので、真面目に地道にやっていけば、多くの人からかわ
> いがられ、いい人生を歩めると思いますよ。
> 成功の反対は失敗じゃない。あきらめないこと。何度も失敗してもあきらめない
> で挑戦し続ければ必ず成功するもんさ。
> 10年たたなくても嫁さん決まったら、また遊びに来なさいね。

江戸時代に新井白石という高名な儒学者がいました。
白石さんは少年の頃から天才の誉れが高かったそうです。
勉強好きでもあり、日々学問に励んでいた。
でも子どもですから、たまには遊びたい時もあったんでしょう。
あるとき、1日さぼったんですね。

それでお父さんは白石少年を呼んでこう諭した。
白石少年に米びつを持ってこさせ、そこから一粒だけ米粒を取った。

 たった一粒だけなら、取ったのか取らないのか分からないだろう。
 取っても取らなくても変わらないと思うかも知れない。
 でもこれを1年ぐらい毎日一粒ずつ取ってみると、やっぱり減ったことがはっきりと
 わかるはずだ。
 勉強も1日くらいさぼったってどうなるものでもない。
 急に馬鹿になるわけでもない。
 しかしそうだからといってそれを続けてしまうと、ある日はっきりと
 自分がダメになったなと、気付くものだ

それ以来、白石少年は前にも増して学問に励むようになり、大学者になっていったんだそうです。
いい話だなーって思いました。

毎日少しでも勉強すれば、米一粒くらいは進歩しているはずです。
その進歩は米粒みたいに小さいから、つい馬鹿にしたり軽んじたりしてしまう。
1日くらいサボってもいいやって。

でも米一粒分でも1年、2年と経つうちに目に見えて増えてきます。
勉強したのとしなかったのと、格段の差が付いていることがはっきりしてしまうものなんですね。
日々コツコツやることの大切さは、そういうことなんですね。


白石少年の話は、大村はま『心のパン屋さん』筑摩書房\1600-に書いてありました。

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