2009年10月6日火曜日

できる社員は放し飼い

こんにちは

日経産業新聞 05.2.21「テクノウォッチャー」にこんな面白い記事が載っていました。

 物質材料研究機構の岸輝雄理事長は「研究者へのアンケートから上位一割と下位三割
 は評価を気にしないという。評価で残りの六割のやる気をどのように引き出すかが問
 題だ」と指摘する。

ぼくも「自称上位一割」ですからねー、納得できます。
会社や上司から評価されて、僅かばかりの給料上乗せをもらっても、あんまり嬉しくありません。
それによって今より頑張るなんてことは、絶対にありませんよ。
だってね、仕事が面白いからバリバリやっているわけだし、既にフルスロットルで頑張っちゃってるんだからー。

では会社からの評価ではなく、何が嬉しいか。
もちろん面白い仕事を自分で見つけてきてそれがやれる、というのが一番です。
そしてその次は、上司からつべこべ言われないことが嬉しい。
「放し飼い」にしてもらうのがいいですね。
仕事に熱中しているときに、上司から呼ばれることほど邪魔くさいことはありません。
それで何の用かと思うと、くだらない話をくどくどだらだらする。
せっかくの集中力が削がれてしまいます。時間も取られます。
やる気もなくなっちゃいますよ。
結局の所、部下のパフォーマンスを落とし、組織全体にとっても損失になります。
もったいない話です。
まー、ぼくくらいのレベルになると「今集中しているので、あとにしてくださいね」なーんて言っちゃいますけどねー。

逆に言えば、いい上司、有能な上司とは、優秀な部下を放し飼いにできる人のこと。
つまり、任せられるってことですね。
それはまったくマネジメントしない、ということではありませんよ。
任せるためにはしっかりとしたマネジメントが必要なんです。
マネジメントができないから、途中であれこれ報告を受けたくなったり、へんてこな指導を入れなくちゃならなくなる。
要するに「不安」なんです。
その不安の多くは自分に由来するものなのです。
部下のやっている仕事がよく見えない、理解できないから、不安なんですよ。
ゴールと期日だけは押さえてあとは任せられるか、その胆力が上司の実力なんです。

さて、上司から放し飼いにされるためにはどうすればよいのか。
佐々木常夫『部下を定時に帰す仕事術』WAVE出版¥1400-に「定期的に短時間でも上司に報告を続ける習慣をつけると」とありました。

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さらにありがたいのは、部長が私を見なくなるということです。
私という存在が上司の視野から外れていくのです。
というのは、「あいつは必ず2週間ごとに報告に来る」と安心してもらえるからです。
むしろ、報告に来ない他の課長が気になって、「おい、あの件どうなっている」という声が飛ぶようになります。
そして、もしもその宿題が出来ていなければ、「何をやってるんだ?」と責められ、今やりかけの仕事を止めて、指示された仕事に追いかけられることになります。
こんなことでは、その部下も課長に対する不信感を持ってしまい、チームとしての効率にも悪影響が出かねません。(116p)
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やっぱりサラリーマンですから「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」は大切です。
組織で仕事をしているんですから、まったく自由に自分勝手にはできない。
それに上司は「偉い」ですから。
呼ばれれば説明に行かなくてはなりませんし、メールが来れば返信しなくちゃならない。
ならばそういうめんどうは短時間に一度で済ませてしまった方がいいんです。
すなわち、定期的に報告する場を設けること、です。
それによって上司の「安心」を確保しちゃうんです。
上司の不安を解消して差し上げるのも、有能な部下の役目のひとつでしょう。

ぼくの所属するセクションでも、ぼくの発案によって毎週一度連絡会を開催することにしています。
そこでできる限りのホウレンソウを済ませてしまう。
そしてその一週間を、伸び伸びと放し飼いにさせてもらうわけです。
あー嬉しーーー!

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