こんにちは
スパコン現場での職人さんたちとの焼肉会でのこと。
さすがに職人のお兄さんたちとは話が合いませんでしたが、現場監督クラスの人とは親しくお話しすることができました。
普段の打ち合わせでは、施工スタッフのトップの人、現場代理人さん、監理技術者さんと直接打ち合わせます。
でもその下で働く現場監督さんとは会話するチャンスがありませんでした。
焼肉会ではそういう人たちともお話しすることができました。
ある監督さんからこう言われました。
「いつも打ち合わせの時後ろの方で聞いているんですが、関口さんって現場のこと分かってますよね」
半分お世辞かもしれませんが、嬉しい一言でした。
ぼくは現場が大好きなんです。
いつも工事現場に出張に行くと、時間を見つけて現場をひとりで見て回ります。
面白い部分を写真に撮ったりしながら。
気づいたことを現場スタッフに話したり、質問したりします。
完成が近くなると、胸ポケットにいつも入れてあるテスターで、気になるところを測定したり。
電線の接続部分をグリグリゆらしてしっかり取り付けられているか確認したり。
時には休憩中の職人さんに話を聞いてみたり。
そのことを次の設計や監理の時に活かすようにしています。
瀬戸内寂聴/中坊公平/安藤忠雄『いのちの対話』光文社¥800-で中坊さんはこう言っています。
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私が弁護士や債権管理機構の仕事という自分の体験を通して一番大切だと思っていることは、現場をよく見る、直視するということです。
現場を見て、自分自身が考える。つまり、判断する。
次に、これは変えうると判断したら、変えようと実際に実行すること。
私が弁護士や債権管理機構の仕事という自分の体験を通して一番大切だと思っていることは、現場をよく見る、直視するということです。
現場を見て、自分自身が考える。つまり、判断する。
次に、これは変えうると判断したら、変えようと実際に実行すること。
現場を見て、自分で考えて、実際に行動する、この三つが全部必要だと思っています。(184p)
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現場を見ると、図面や書類だけでは分からないことが見えてきます。
やっぱり実物勝負なんですよ、工事って。
だって最終的な目的は、図面や書類を作ることではなく、建物自体を造ることなんですから。
現場を見ないと、いい考えも浮かびません。
もちろん、図面や書類もしっかりチェックはしますよ。
図面や書類に従って工事は進められるわけですから。
でも現場を見て改善した方がいいところが見つかるってこともよくあるんです。
そのときその場で修正してもらっちゃう。
それを以降の施工にも反映してもらっちゃう。
そうやって造りながらポリッシアップしていくんです。
ところが若い人や技術力の足りない人の中には、書類ばっかり見ている人もいます。
図面を前にああだこうだと言い合ったり、首をひねって悩んだり。
なかなか決断することができない。
時間ばかり浪費しています。
そういうときは即現場を見に行くことです。
現場を見れば、たいていは解決の方向がわかるものです。
現場の情報量は膨大です。
図面や書類では分からないことが、そこには実在しているんです。
同書の中で建築家安藤さんはこう言っています。
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現場を見て、人間を見て考え、道理に沿って判断するという点ですが、今の若い人たちは現場が嫌いなのです。
人に会うのが嫌い。
できるだけコンピュータと対話したいという社会ですから。
だから、なかなか道理に沿って物事が見えないし、動かない。(184p)
現場を見て、人間を見て考え、道理に沿って判断するという点ですが、今の若い人たちは現場が嫌いなのです。
人に会うのが嫌い。
できるだけコンピュータと対話したいという社会ですから。
だから、なかなか道理に沿って物事が見えないし、動かない。(184p)
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現場に行かない若い人は、きっと現場に行っても見えるものがないんでしょう。
でもそれは仕方ないことでもある。
基礎知識と経験が不足しているからね。
あれども見えず、なんです。
人間は、知っているものしか見えない、ものなのです。
見えないから、分からないから現場が嫌い。
嫌いだから現場に行かない。
現場に行かないから理解できない。
ますます現場が嫌いになる。
悪循環に陥っています。
現場を見れば、実物と図面や書類との対応関係も理解できてきます。
図面がこう描いてあると実物はこう施工されるのか、ということが分かってくる。
すると図面を読む力も身に付きます。腕も上がります。
見る目が養われ、考えも深くなり、判断もつくようになるんです。
判断ができれば、一歩先へと進むことができます。
だからぼくの仕事は現場を見ること抜きには完遂できない、と思っているのです。
だからぼくの仕事は現場を見ること抜きには完遂できない、と思っているのです。
写真はスパコン熱源棟の内部。
配管もビューティフルです!
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