2009年10月28日水曜日

やることを奪うな!

こんにちは

最近の子どもは結構リッチですよね。
着る物はブランド物、美味しいレストランや老舗の寿司屋にも連れていってもらったり、海外旅行まで。
しかしねー、分別の付かない年代の子どもを高級レストランなどに連れてこないでほしいぞ。
こっちもたま~になけなしのお金で高級料理を食べようと思っているのに、近くで子どもがバタバタ走り回っていたりして、ゲンナリしますよ。
だから我が家では、子どもにブランド物なんか買ってやりませんし、高級レストランには連れて行きませんし、当然海外旅行なんか絶対連れて行きません。
それは、贅沢が子どもにとって本当に幸せなことだと思わないからなのです。

良かれと思うことは何でも親や祖父母から与えられる。
もちろん親や祖父母は善意でやっていることだとは思います。
子どものよりよい成長を願ってやっていることだとは理解できます。
ぼくは、それが今の子どもたちの思春期を荒れさせる原因にもなっているんじゃないかって思うのです。

子どもは思春期頃まで成長すると、自力で何かをしたくなります。
自分の力で何かをしたいというエネルギーがわき上がってくる時期を迎えます。
その時に<やりたいこと>がないんですね。
特にほどほどの努力で手が届くようなものがない。
それらは既にみ~んな子供時代に親や祖父母から与えられちゃっているんです。

残っているのは、親や祖父母も手が届かない超高級ブランド品と大人が顔をしかめるような悪いことだけ。
だから、女の子は援助交際に走って超高級ブランド品を手に入れ、男の子は悪い仲間に入っていく。
あるいは、どちらもやる勇気のない子は引きこもる。

斎藤孝さんは「エネルギーの出場所がなくて余ってしまうと人間は悪くなる」と言っています。
引きこもったり鬱状態になるのは、エネルギーが不足しているからなるんじゃなくて、エネルギーの適切な出し場所がないからなるんだそうです。

脳科学者のヘンシュ貴雄さんの本、『頭のいい子ってなぜなの?』海竜社\1400-にこんなことが書いてありました。

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通常の動物飼育用の籠と、その中にいくつものおもちゃを取り込んで刺激を豊富にした籠、二つを使って、マウスの神経細胞の発達過程を比べる実験が行われました。
予想通り、刺激が豊富な、いわばリッチな籠である後者の環境のほうが(脳)細胞の発生を促したわけですが、それがなぜかという根拠だけは先送りにされていました。
一見、環境が豊富=刺激が豊富と考えてしまいがちですが、実はそれだけでなく、環境が豊富なために、動物の行動量が増えたからであることが、データではっきりと示されたのです。(114-115p)
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つまり、脳細胞の発達のためには「行動」が必須のものであることが最新の脳科学で判明したのです。
行動は「自発性」がないと起きません。
「やりたい!」という気持ちですね。
おもちゃなど豊かな環境も、動物の自発性を促し、行動につなげないと脳の発達のためには役に立たないのです。

子どもでも同じなんだと思います。
高級ブランド品を着せることが、子どもの自発的行動を引き起こすのかどうか。
高級レストランで食事をすることが、子どもの自発的行動を引き起こすのかどうか。
海外旅行に連れていくことが、子どもの自発的行動を引き起こすのかどうか。
子どもにとって受け身のことであり、自分で何かやろうという気持ちが湧き出てこないなら、それは子どもの脳の発達の役に立っていないということです。

小さい頃から大人が何でも与えていると、思春期になって子どもが自分の中から湧き出てきたエネルギーの適切な出しどころが見つからなくなっちゃうんじゃないかって、ぼくは思うのです。
何もかも与えることが、子どもが成長して自分でやりたいこと、自分でやるべきことを奪っているんじゃないか。
そういう視点も大人にあった方がいいと思うのです。
だから我が家では子どもに何でも買い与えませんし、高級レストランにも連れて行きません。
まー、お金もないんだけどねー。。。

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