2009年5月5日火曜日

楽しく学び続けること

こんにちは

ぼくは若い頃、中学受験のための進学塾で数年働いていたことがあります。
そのとき感じたのが、子どもに勉強させることばかりに熱心な親が多いな、ということ。
でも親自身はそれほど勉強していないし、勉強が好きでもない。
なのに高いお金を払って子どもの尻を叩いて勉強させている。
それだと子どもは勉強する気にならないんじゃないかって思ったのです。
やらされる勉強はとても効率悪いんです。

松村暢史さんの本によると、東大現役合格者の上位10%の学生の家庭は、

  親が読書をよくし、
  文章を自由に書き、
  しかも自己判断することの大切さを教え、
  そのうえ芸術などの情操教育の大切さを熟知している人たちであることなのです。
  (『中学入試国語選択問題ウラのウラ』25p)

なんだそうです。

東大など一流学校の上位10%の学生はやっぱりすごいですよ。
無理な受験勉強なんかしてこなかった。
余裕がある。
無理してなくて余裕があるから、大学に入ってもきちんと勉強します。
それも楽しくね。
だって、勉強の重要性も快楽性も分かっているんだから。
幼い頃から家庭の中で、それを実感しながら育ってきたんですから。

内田樹『こんな日本でよかったね』バジリコ¥1600-にこうありました。

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子どもは「気分がいいこと」には敏感に反応する。
それが子どもたちのそれまでの「気分がいいこと」のリストに登録されていない種類の快感であっても、子どもたちは「気分がいいこと」にはすぐに反応する。
教師が知的な向上心を持っていて、それを持っているせいで今すでに「たいへん気分がいい」のであれば、生徒たちにはそれが感染する。
教師たちが専門的な知識や技能を備えていて、そのせいで今すでに「たいへん気分がいい」のであれば、生徒たちは自分もそのような知識や技能を欲望するようになる。
教育の本義は「子どもの欲望」を起動させることである。(150p)
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教育というと、「子どもに勉強させること」と誤解している人が多すぎです。
それでは子どもは本当に勉強好きにはならないと思うのです。
親や教師も楽しく学んでいる。
その雰囲気が子どもに伝わり、子どもも自ら勉強するようになるんだと思います。

教育とはインタラクトなんです。
双方向にいい影響を与え合うものなんです。
その「タネ」さえ植え付けられれば、子どもは自然と育っていく。
そう思って、ぼくも本をよく読み、文章も下手ながら書き続け、自分で判断することを心がけているつもりです。
あと足りないのは、芸術かなー。。。

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