こんにちは
夏本番になりましたね。暑いです。
でも我が家はなるべくエアコンはつけずに、扇風機で過ごすようにしています。
なぜなら、わが子はっちゃん、とっちゃんはまだ幼児。
汗を十分かかせて、汗腺の発達を促したいからです。
汗腺の数って幼児期にきまっちゃうんですよ。
エアコンの中ばかりで育てちゃうと、体の放熱器官が十分出来上がらない。
これから成長して、運動したり暑い場所で活動したときに支障が出ちゃうんです。
で、親の方は扇風機でしのぐことにしています。
涼風扇という、水の気化熱で冷たい風を作る扇風機を買いました。
これはなかなかよいものですよ。
ところで、エアコンってどのくらいのエネルギーを使うんでしょうか。
ちょっと計算してみましょう。
『理科年表』でしらべたら、空気の密度は1.24kg/m3, (定圧)比熱は1.006kJ/kg・Kでした。
よって、空気1m3を1℃冷やすのに必要なエネルギーは、
1.24kg/m3x1.006kJ/kg・K =1.25kJ/m3・K.
この結果を使って8畳間(13.2m2)を1℃冷やすのに必要なエネルギーを計算してみましょう。
この8畳間の天井高さを2.5mとすれば、容積は33m3ですから、
1.25kJx33m3=41.25kJ
となります。カロリーに直すと約10kcalにもなります。
真夏の暑いとき、8畳間の温度を35℃を25℃へと10℃下げるには100kcalも必要です。
ところで東京ドームの容積は1,240,000m3もあります。
同様に、東京ドームを35℃から25℃に冷やすためのエネルギーは、
1.25kJ/m3・Kx1,240,000m3x10k=15,500,000kJ=3,690,000kcal
にもなってしまいます。
石油1リットルのエネルギーが約10,000kcalですから、369リットル、約ドラム缶2本分使うって計算です。
莫大なエネルギーですね。
でも東京ドームは、そんなにエネルギーを使わずに冷房しているんです。
以前、電気技術者協会の見学会で東京ドームを見学したことがあります。
その時グラウンドにも案内してもらいましたが、グラウンドは結構暑い。
なぜなら、東京ドームは観客席しか冷房していないからなんです。
エアコンで冷やした空気を、観客席最上段から吹き出します。
冷えた空気は重いので、観客席を滑り降りるようにしてグランドの方へと下っていきます。
そして観客席の最下段で吸い込みます。
その空気は、観客の熱気で温度が上がっています。
でも外気よりは低い温度です。
それを再びエアコンで冷やして、また最上段から吹き出す。
このように冷房空気を循環させているのです。
もちろん、観客の呼吸で酸素が減り、二酸化炭素が増えているので、必要な量だけ外気を導入していますが。
つまり、東京ドームはドーム全体を冷房しているわけではないのです。
必要なところだけ冷房しているので、上で計算したほどのエネルギーは使っていないのです。
観客は客席に座って動かないので、このような局所的な冷房が可能なのです。
局所冷房は、効果の割にエネルギー使用の少ない、省エネ冷房なのです。
ところが家庭やビルなどのエアコンは、部屋全体を冷やします。
なぜならどこに人がいるかわからないから、必要な部分だけ冷房するわけにはいかないからです。
だから、無駄の多い冷房であると言えます。
もっと悪いことに、冷房された部屋でじっとしている人がいる。
冷房された部屋で寝っ転がってTVを見るとか、オフィスで事務仕事をするとか。
体の周りには空気がありますが、体の表面には数mmの厚さの空気層ができています。
この空気層はじっとしている限り、体の表面にぺったり張り付いています。
この空気層が断熱材の役割をしてしまうのです。
体にぺったりくっついた空気層が、冷房で体が冷えるのを防いでしまうのです。
だから、冷房温度を低くしないと涼しい感じがしないのです。
この空気層をはがしてやれば、もっと体は涼しくなるのです。
そのためには、風を体に当てるといいんです。
扇風機やうちわで扇ぐ。
窓を開け放して、自然な風にあたるのも気持ちいい。
あるいは自分自身が動きまわる。もっとも激しく動きまわると、余計に暑くなるかもしれませんが。
東京ドームの観客席も、観客席の上段から下段に向かってわずかながら風の流れができています。
その風が観客の熱気に満ちた体の表面から空気層をはがしていく。
それでさらに冷房効果が上がっているのです。
要するに、省エネ冷房のためには局所冷房+風の動きが重要なのです。
夏の暑いとき、外から家に帰ってきて部屋の中の冷房が効いていないと思って、エアコンの温度設定を下げたりすることがあるでしょう。
でもしばらくすると、今度は寒くなり過ぎちゃうです。
それは、外から帰ってきたばかりの時は、体の回りに外の熱い空気がまとわりついているからです。
だから、部屋の冷房が効いていない気がしちゃうんです。
そんな時はエアコンの温度を下げるより扇風機にあたったり、うちわで扇ぐ。
そうして体の表面に張り付いた、熱い空気層をはがしてやる。
そのうち体が冷えてきて、そのままの設定温度でも十分涼しく感じられますよ。
エアコンの設定温度を1℃変えると、エアコンの消費エネルギーが10~20%減らせると言います。
それは、家の壁を通しての熱伝導するエネルギーは
熱伝導率×壁面積×外気と室内の温度差
だからです。
熱伝導率と壁面積は一定ですから、外気と室内の温度差を変えてやる。
たとえば外気が33℃の時、エアコンの設定温度を27℃->28℃に変えれば、温度差は6℃->5℃と少なくなるので、熱伝導エネルギーは約20%減るって勘定です。
猛暑で外気が37℃なんてなると、エアコンの設定温度を27℃->28℃に変えても、温度差は10℃->9℃と少なくはなりますが、熱伝導エネルギーは約10%しか減らないってわけです。
それよりも、扇風機で常に体の周りの空気層をはがし続けるのがいい。
エアコンで部屋全体を冷やすために使うエネルギーと比べて、扇風機で自分の体だけに風を当てるだけのエネルギー、すなわち扇風機の消費電力は、エアコンの消費電力の5~10%でいいんです。
部屋全体を冷やすなんてまったく必要ありません。
要は自分が快適であればいいわけです。
扇風機で風を当てて、体にまとわりつく暑い空気層を剥がしてやる。
そして体の自然な冷却機構である汗を十分蒸発してやるんです。
扇風機で快適になれるんだったら、それで十分じゃないですか。
省エネだし、その上、冷房病ともおさらばです!
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