2008年8月30日土曜日

報告書は先に書け

こんにちは

先週末はSPring8第3特高変電所に、XFEL専用変圧器を増設する作業を行いました。
既設の改造なので、時間との戦い。タイトなスケジュールでした。
接続作業がうまく行ったので、作業完了数分後には上司に報告メールを送りました。

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課長 金子さん!

本日8/24、spring8第3特高変電所No.8バンク増設工事が無事予定通り完了しました。
電気主任技術者上西さんお立会いのもと、商用耐圧、保護連動・インタロック、中央
監視対向試験を実施し、すべて異常ありませんでした。
昨日午前中は雨が降りましたが、きんでん帯刀田さん、日建久保さんの段取り替えの
指示が的確に行われましたので、遅れなく工事を進めることができました。

試験終了後、増設バンクは切り離し、中央監視は保守設定とし、2次変送電(年明け
1月予定)まではJASRIさんの管理範囲外としています。

特高接続が問題なく完了しましたので、近畿経済局安全管理審査を受検する手配を、
きんでん帯刀田さんにお願いしました。
9/29(月)受検で調整してもらいます。

以上、報告します。
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実はこの報告メール、接続作業前に書いてしまってあったんです。
なので、作業終了後すぐに送ることができたってわけです。

ぼくは報告書の類は事前に書いてしまうことにしています。
これは役に立ちますよ。
それはこれから行う仕事を予習することができるからです。
何をどのような段取りでやってくればいいのか、あらかじめ頭にインプットできるのです。
で、実際に検査等しないと記載できない部分は空欄のままにしておきます。
ついでに「仕様書通りに製作されており、大変よい出来である」なんて、結論までちゃっかり書いちゃう。
まだ、やる前なのにね。
そして作業が終わったら空欄を埋めて、報告書の完成です。

米沢富美子『科学する楽しさ』新日本出版社\1600-にこんなことが書いてありました。

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創造的な研究につながるアイディアをつかむために私が実行している企業秘密は、問題に対して先に答えの予想を立ててしまうことである。
行方定めぬ手探りでは無駄が多く、答えに行き着けないことも多い。
答えはこうなるにちがいないと見極めて、そこから逆に歩いてくれば確実である。
いうならば、迷路の問題を出口から解くようなものだ。
入口からの道のりでは紛らわしい岐路がつぎつぎに出てくるかもしれないが、出口からだと、意外にすんなりと全容が見えたりする。
予想した答えが間違っていれば、やり直せばよい。
そのうちに答えの的中率も上がってくるだろうから。
このくらいのんびり構えていることも、クリエーティブな研究をなし遂げるために必要なことである。(88p)
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要するに、何事にも仮説を持ってあたることが大事なんです。
仮説とは「こうなるであろう」という予想です。「仮の答え」と言ってもいいかもしれません。
しかも上手く行くであろう仮説を持っていると、実際ホントに上手く行ってしまうことが多いんです。
ぼくの作業報告のように「上手くできました」という結論まで先に書いちゃうと、せっかく書いた報告書を反故にしちゃうのがもったいないから、上手く行くように段取ることにもなります。
逆から考えることは、そして先に報告書を書いてしまうことは、<未来を先取りする技術>なんだと思います。

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