こんにちは
前便で、会社が行う研修、人材育成というと、とかくできない社員に手をかけすぎるきらいがある、と書きました。
手をかけすぎるというのは、ちょっと違うかなとぼくには思えます。
実は、手をかけていないんじゃないかって。
この研修に行かせたらあいつも変わってくれるだろう、これだけ金かけたらあいつも変わるんじゃないか、ってそう思っている。
つまり、自分の手はかけてないんですよ。
自分で育てることより、誰かに育ててもらおうと思っている。
研修は行きたい人が行けばいい、とも書きました。
でも自ら研修に行く人の中にも、分かってない人もいます。
自分で高いお金を払って、英会話教室とか自己啓発セミナーに行く。
中には海外留学なんてのに行く人にも。
これに行けば自分は変わるのではないか、という期待。
これも自分の手をかけていない。
他人に自分を育ててもらおうと思っているんですよね。
すなわち「他力本願」なんです。
もちろん時々は研修や留学で、非常にインパクトのある経験をして、その経験が自分を変えてくれることもあります。
でも、そんなのはめったにない偶然です。
激しい自己啓発セミナーだと参加中、参加したすぐ後だと、変わることもあります。
が、それも他人に変えられたものだから心の奥底ではそれを喜んでいないんですね。
だからしばらくすると元に戻ってしまう。
やっぱり自分を変えていくのは自分自身なんだと思うんです。
自分が変わって行くにはエネルギーが必要です。
やっぱり自分自身に手をかけなくちゃいけない。
この意識が希薄だと、研修会に参加してもちーっとも変わらない。
留学に行っても無駄になってしまうと思います。
だからぼくは研修会に行くときは、まず最初に自分に何が足らないのか、その欠乏感をなるべく具体的に意識します。
そこを埋めてくるんだ、という決意を持って参加する。
さらに、ぼくはケチですから、ちゃんと<元>は取るんだという意識も強く持つ。
かけた金額と時間の分は、得するようにしないと我慢ならないわけです。
この研修を受けたら自分の能力がちゃんと上がって、仕事上も役立つし、ちゃんとペイさせるぞ。
そう思うことが大事だと思います。
読書というのも、手っ取り早い研修です。
読書ならほんのわずかな時間でも、どこにいてもできます。
読書は自分だけの時間です。
自分と対峙することができる孤独な作業です。
どんなに忙しくても毎日、たとえ通勤電車の中での30分でもいいから、読書する時間、すなわち自分自身と向き合う孤独な時間は持つべきだと思っています。
安田佳生『採用の超プロが教える仕事の選び方人生の選び方』サンマーク出版\1300-に、こんなことが書いてありました。
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本は読めばいいというものではない。
本を読んだ経験が、自分を変えてくれるものでなければ意味がない。
いくらたくさんの本を読んでも、そこから自分を変える何かを見つけることができないのであれば、時間の浪費と言っても過言ではない。(165p)
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読書は自己研修です。
もちろん読書は楽しみでもあるのですが、学ぶところもあるはずです。
たまに本好きの子どもがいて、本をたくさん読んでいる割にちーともかしこくならない子どもがいます。
こういう子は、本で読んだことを自分に引き寄せて考えていないんです。
読んだことをやってみようとか、自分の考え方を変えてみようとかしない。
だから読んでも読んでもかしこくならない。
大人も同じですね。
本を読んだらそれを自分に引き寄せて考えてみる習慣は大切だと思います。
仕事に直接関係しない本、たとえば小説だってそのような読み方もできるはずなんです。
無駄な読書はしないで、元は取る!
それが、自分自身に手をかけ、自分を手入れしていくことなんだと思っています。
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