2008年8月30日土曜日

エアコンで冷えるわけ

こんばんは

いやあ、暑いですね!
でも我が家はエアコンは使わず、扇風機で暑さをしのいでいます。
なぜなら我が子たちはまだ幼児ですから、汗腺を十分に発達させなくちゃならない。
汗腺を十分に発達させて、体温調節機能を発揮できれば、健康な人生を送れることになる。
健康こそ、親から子への最大のプレゼントですからね。
そのために、ちょっと暑いくらいの環境で育てているのです。
そのおかげで、親の方もたっぷり汗をかいて、体調がいいです。
電気代もかからなくて、家計も大助かり。

それにしても、エアコンって不思議です。
部屋の中の熱を奪って、むんむんするほど暑い屋外に熱を捨てることによって、冷房するんですから。
熱力学の第2法則は、<熱は必ず高温の物体から低温の物体へと移る>です。
それなのにどうして、エアコンは温度の低い部屋から温度の高い屋外に熱を運ぶことができるのでしょうか?
熱力学の法則に反しているように思えますね。

エアコンは、「圧縮機(コンプレッサー)」、「凝縮器」、「減圧弁」、「蒸発器」の四つの部分からできています。
それらは配管によってつながれ、その中に液体(冷媒)が詰められています。
エアコンは、室外機と室内機とで構成されていますが、圧縮機と凝縮器は室外機に、減圧弁と蒸発器は室内機に納められています。
冷媒は、蒸発器->圧縮機->凝縮器->減圧弁->そしてまた蒸発器へと循環するようになっています。
冷媒には、フロンなど室温以下の温度で蒸発する液体を使います。

エアコンの室内機の中に納められた蒸発器の中で、冷媒は室温で暖められて蒸発します。
だって、冷媒は室温以下の温度で蒸発する液体なんですから。
蒸発するときに蒸発潜熱を吸収して、部屋の温度を下げることができます。
そのままでは冷媒が全部蒸発してしまったら、もう熱を吸収することができません。

そこで気体になった冷媒は、配管を通って室外機の中にある圧縮機へと流れて行きます。
圧縮機はモーターを回転させることによって、気体を圧縮する役目をしています。
冷媒は圧縮機によって断熱圧縮されて高温・高圧の気体になります。
次に冷媒は、これも室外機の中にある凝縮器に送られます。
このときの冷媒は外気より高温になっていますから、<熱は温度の高い方から低い方へ移動する>という熱力学の法則通りに、外気へと放熱します。
かつ高圧では液化しやすいので、どんどん熱を外気に放出して液体に戻っていきます。
より効率的に放熱するために、凝縮器部分にはファンが付いていて、風を送っています。

液体に戻った冷媒は、配管を通って今度は室内機へと送られます。
室内機の中の減圧弁を通過すると、圧力が下がります。
圧力を急激に下げると、断熱膨張によって温度が下がります。
減圧弁は、冷媒が室温より低い温度になるように調整されているのです。

そして再び蒸発器に戻った冷媒は、室温より温度が低い液体になっています。
熱力学の法則通りに室内の空気から冷媒へと熱は移動し、かつ低圧だから蒸発しやすいので、じゃんじゃか室内の熱を奪って気体になります。
蒸発器でも効率的に吸熱するために、ファンが付いていて、風を送っています。

エアコンは以上のサイクルを繰り返して部屋を冷やしているのです。
ですからエアコンは、熱力学の法則に反しているのではなく、熱力学の法則を巧みに使った機械なんです。

エアコンで主にエネルギーを消費している部分は圧縮機、コンプレッサーです。
圧縮機は電気でモーターを動かして、気体を圧縮しています。
でもその他の蒸発器や減圧弁や凝縮器では、エネルギーを消費していません。
その他はわずかに蒸発器と凝縮器の部分には、効率的に熱交換するためのファンが少しだけ電気エネルギーを消費しているのみです。
おもしろいことにエアコンは、圧縮機で使われるエネルギーの4倍もの熱量を、室内から室外へ運び出しています。
エアコンは、熱をポンプのように室内から室外へと汲み出しているので、ヒートポンプとも呼ばれています。

0 件のコメント: