2008年9月7日日曜日

その人自身に興味を持つ

こんにちは
 
ぼくらのスパコン施設は、世界一のスーパーコンピューターを収容するための機能だけじゃなく、それにふさわしいデザインを追求してきました。
設計者の人たちと議論を重ね、ようやく満足できるレベルまで仕上がってきました。
役員や文科省の方々からもよい評価をいただけました。
ある役員からは「理研の建物らしからぬものになるね」との言葉もいただきました。
でも理事長から「もう少し文化の香りのするものになるといいね」とコメントが。
そこで、東京芸大の先生にアドバイスをいただくことになったんです。
 
先日、芸大の先生が建設現場に来てくださいました。
ぼくもご挨拶して名刺交換。
そしてすぐ電子メールを送りました。
 
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尾登様、たほ様

理研施設企画課設備係長関口です。
先日は暑い中神戸スパコン現場へご足労いただき、大変ありがとうございました。
世界一のスパコン施設にふさわしいデザインとなるよう、ご協力よろしくお願いします。

尾登さんの著書『色彩楽のすすめ』、アマゾンで注文しました。
勉強させていただきます。
たほさんのホームページ、見せていただきました。
Mist Fountainに興味を持ちました。どういう仕組み?

お時間のありますときにでも、ぼくの人となりについて、以下を読んでいただければ嬉しいです。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/news/1998/feb/index.html

ぼくは20代の頃、北海道で小学校で教師をしていたんですよ。

たほさんも元は栄養士さんだったのですか。
それから美術の世界へ転身したんですね。
とてもユニークな経歴、素晴らしい!

では、今後ともよろしくお願いします。
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ぼくは誰かと一緒に仕事を始めることになったとき、その人がどんな人なのか、どういう仕事をしてきたのか、どういう考えをする人なのかなどを調べてみることにしています。
ホームページを調べたり、著書を読んでみたり。
その人自身に興味があるんですよ。
だって、仕事は人、じゃないですか。
その人が面白い人じゃなくちゃ、いい仕事にはなりません。
そのことを電子メールで伝えます。
さっそくたほ教授から返事がきました。

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関口さま
たほです。
ご連絡をありがとうございました。

北海道の小学校で先生をされていたとのこと、
こころ暖まる自己紹介を読ませていただきました。
どうもありがとうございました。
廃校になる小学校が多い今日この頃、
地域と小学校について改めて考えさせられます。

子供時代の体験は人生に大きな影響をもつものです。
理研が将来的に展開していく用地の環境は
10年程度の仮設的なものであるかも知れませんが、
人生においては、十分に影響力をもつ時間です。

先端的なすばらしい研究がおおなわれる理研、
世界に誇るスパコン、その施設が、
周囲に殺伐とした環境や風景をつくるとしたら
何のためにスパコンがあるのかわからなくなりますね。

長いようで短い人生、人との出会いを大切に
いい仕事をしたいと思います。

よろしくお願いいたします。
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よし、第1弾はクリア、いいスタートが切れました。
きっとよいコラボレートができると期待しています。

藤巻幸夫『勝ちたければ現場をつかめ!』きこ書房\1200-から引用します。

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デザイナーと対面したときでも、藤巻はデザインを見る前に本人に目を向ける。

「デザインしてもらった洋服はひとまず置いといて、ところでどこで生まれたの?どんな本読んだ?(略)」とばんばん尋ねていく。
もちろん刑事の尋問じゃないから、世間話の中にまぶして聞いていく。
どうしてこんなことをするかというと、人には歴史があるからだ。
だれしも過去の積み重ねのうえにいま現在がある。
いまだけを見ても本質はつかめない。(126p)
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相手のことをよく知るためには、自分のこともよく知ってもらう必要があると思っています。
自分がどんな人生を歩んできたのか、今どんなことを思い、取り組んでいるのか。

こっちが積極的に発信していかない限り、相手から引き出すことはできないと思うのです。
相手にぼくのことを興味を持ってもらう。
面白そうな奴だなって思ってもらいたいのです。
そこからいいアウトプットも生まれてくると思うのです。
そのための一つの手段がこの「ゴミメール」でもあるんです。

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