2008年9月6日土曜日

雑用が活きる条件

こんにちは

ぼくの部下がまだ入社したての頃、こんなことがありました。
工事の打ち合わせを施工業者さんとしていました。
入社したてでちんぷんかんぷんかもしれないけど、部下も同席させました。
もちろん、教育目的です。
少しでも仕事の内容、仕事の仕方を覚えてほしいからです。

打ち合わせが一段落して、施工業者さんが缶コーヒーを出してくれました。
嬉しいですねー。
しゃべりまくって喉が渇いていたところなんです。
ちょっと一息ついて、缶コーヒーをみんなでごちそうになりました。

そしてまた打ち合わせを再開したときです。
入社したての部下が、飲み終わった空き缶を片付けしはじめたのです。
ぼくは烈火のごとく怒りましたねー。
「今君のやることはそんなことじゃない!」って。

  まだ打ち合わせ中なんだから、空き缶を片付けるのは後にしろ。
  今やらなくちゃならないことは、打ち合わせに集中することだ。
  分からないながらも、一つでも二つでも分かることを増やせ。
  分からないことがあったら、後で質問なりして自分を増やせ。

そんなことを言いました。

たぶん部下は、ただじっと打ち合わせの席に座っていることに耐えられなかったんでしょう。
何か自分ができる仕事はないか、考えていたのだと思います。
で、空き缶片付けをしはじめちゃった。
その気持ちはわかるけど、間違ったやり方だと思うわけです。

『イチロー北野武キャッチボール』ぴあ\1200-から引用します。
アメリカ人はドライだって言うけど、学ぶべきところもあるんですね。

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たけし (略)日本人はさ、人の仕事を手伝ったりするけれど、実はそいつ自身の仕事がおろそかになっていたりするんだよね。
そういうのじゃなくて、アメリカ人は自分の仕事をきっちりとやるっていうのが最優先なんだよね。
そういう体制っていうかさ。
責任がきっちりとしていてさ、人の仕事には他人が手を出しちゃいけないっていう風潮があるんだよな。
だからさ、そういう話とか知らないでオイラがアメリカに行ってみると、向こうの人たちが自分の仕事は責任を持ってすごい早さでやるから、驚いちゃったんだよ。
よくもまあ、あんなに働くなあって。(12p)
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雑用をするのは日本人の美徳でもあるんですが、雑用だけして仕事をした気になってしまっている人も結構いるんですよね。
忙しそうにしている人の中に、雑用だけの人がいたりします。
どうでもいい仕事を忙しそうにしている。
もしかしてそれは、自分は忙しく働いていますよ、というアピールなのかも。
あるいは、今忙しいから他の仕事は持ってこないでくれ、というアピールなのかもね。

確かに雑用を積極的にすると、みんなに喜んでもらえます。
だからぼくも雑用を軽んじているわけではありません。
むしろやるべきだと思っていて、自分でも実践しているつもりです。

でもやっぱり基本は、本来の仕事をきちっとすること。
そこがきちっとできてこそ、雑用が生きてくると思うのです。
本来の部分ができていないで雑用ばかりやっている人は、他人から見れば「雑用だけの人」として軽んじられてしまうわけです。
責任を持つべき本来の仕事がきちんとできていて雑用も積極的にやれば、それがより評価されるんです。
あるいは、本来の仕事を責任を持ってこなすから早く終わり、雑用をも引き受けるだけの余裕が生まれるんです。
そういうことを部下にも教えていきたいって思ったんです。

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