こんにちは
これまで何度か食と健康の関係について書いてきました。
人がものを食べる理由は二つある。
・腹が減ったとき=エネルギーを得るため
・必要な栄養が足らないとき=新陳代謝のため
特に成長期にある子どもの場合、後者を考えた食事が大切です。
必要な栄養を満たした食事をさせると共に、そのために食べ過ぎたエネルギーを消費させること。
バランスの悪い食事をしていると、過度に摂りすぎたエネルギーを発散させたい欲求が暴走してしまう。
荒れた学校を立ち直らせるために、食を変えていくことを実践した人がいます。
『致知』'08.5に上田市前教育委員長の大塚貢さんのお話が載っていました。
上田さんが荒れた中学校の校長になったとき、まずやったのは給食の改革。
子どもの成長のためには食の改善が必須であることは、多くの人が分かっていることです。
それをどう実現していくかですね。
普通は家庭に「バランスのいい食事を与えてください」と言ってお終いでしょう。
言うだけなら誰でもできますよね。
でも家庭だって、そう簡単に食事を改善できるものではありません。
朝食抜きなんてあたりまえ、夕食もコンビニ弁当、カップ麺ばかりという家庭だってあるんです。
親だってバランスのいい食事がいいとは思っているんですが、それを実行するためにはお金も時間もかかります。
そんなことどうしたってできない親だっているんです。
でも上田校長はあきらめなかった。
実務者ですからね。
実務者とは自分でできることはやっていこう、たとえ100%は無理でも、少しでも改善できることがあるならやる、自分だけでもやれることはやる、という人のことです。
ただ「バランスのいい食事を」と言うだけじゃなく、できる部分だけでも実行に移す。
人は一日に三食食べるわけです。
給食だけでも改善できれば、、30%も改善できる勘定です。
それまでパンや麺類や時に菓子パンなど子どもの好きなメニューばかりだった給食を、毎日米食に変えたんです。
米食も白米オンリーではなく、微量栄養素がたっぷり含まれ消化吸収のよい発芽玄米を10%雑ぜたもの。
余談ですが、ただの玄米は消化吸収があまりよくないので、消化力の弱い子ども向きではありません。
玄米というのは発芽する力を持っています。
翌春、適切な時期に発芽するように、発芽抑制因子が含まれています。
発芽抑制因子は、動物にとって毒性がある。
それによって動物に食べられにくくもしているんですね。
なので、玄米そのものは消化しにくいのです。
それをちょっと発芽させてやったのが発芽玄米。
発芽させることによって発芽抑制因子を分解させてしまうのです。
こう処理することによって、消化吸収のよい玄米に変えることができるわけです。
上田さんは校長の権限で給食を変えちゃったんですね。
主食をご飯にすると、副菜だってそれにあったものにしていく必要があります。
栄養士さんと何度も試食を重ね、子どもたちが喜んで食べてくれるメニューを作り出していった。
その結果はドラスティックに現れました。
給食を変えてたったの7ヶ月で、学校が落ち着きはじめたんです。
1年半から2年がたつ頃には、非行、犯罪はゼロになった。
同時に学習意欲も高まり、授業中寝たり、教室を抜け出したり、騒いだりする生徒もいなくなっていったんだそうです。
結果、県内でもトップクラスの学力をもつ学校になってしまった。
心と体は密接に関連しています。
心は体の健康に支えられている。
そして体は食によって作られているんです。
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